2010年7月24日土曜日

バブルは通貨制度の宿命的帰結

バブルの原因をネットで調べてみても、本当の原因はほとんど出てきません。バブルの根本的な原因は現在の通貨制度そのものにあります。

バブルについては資産の転がしによる架空の値上がり益が問題とされています。つまり何も無いところからおカネを生み出しているというわけです。では、そのバブルで生まれるおカネはどこから来るのでしょうか?世の中のおカネが一定量しかなければ、バブルの初期の段階において、値上がりした資産を買うだけのおカネは世の中からなくなってしまいます。本来はこの時点でバブルは終わるはずです。

ところがバブルはどんどん膨らみ続けます。つまりおカネの量が増えているのです。では中央銀行が現金をバンバン刷っているのか?そうではありません。民間銀行が「信用」として作り出し、これを企業に「貸付」することによっておカネがどんどん増えるわけです。銀行の信用創造により、貸付として、すなわち人々の借金としておカネがどんどん供給されるためにバブルはどんどん成長します。しかも「信用」によって生まれるおカネは帳簿上で生まれたおカネに過ぎない、つまり「何も無いところから生まれたおカネ」なのです。だからおカネをいくらでも増やすことができるのです。すなわち、現在の通貨制度、銀行制度そのものがバブルなのです。

銀行は自己資本の何倍ものおカネを貸す事ができる、つまり保有している現金の何倍ものおカネを作り出して貸す事が出来ます。これがバブルの根本的な原因です。もし銀行が保有している現金の範囲内で貸し出しを行うのであれば、バブルは発生しないのです。
そして、信用は「何も無いところから生まれたおカネ」であるがゆえに、バブル崩壊とともに劇的な速度で「消えてなくなる」わけです。

ゆえに、私たちは信用ベースの経済ではなく、現金ベースの経済を志向すべきだと思います。